2002年1月8日

 企業の渡航自粛は「輸入制限」に相当と警鐘
 JATA、経団連に適切な指導求める要望書提出

 
日本旅行業協会(JATA)は経済団体連合会に対し、関係各社が海外への出張旅行を 禁止・自粛等によって制限している現在の措置について、適切な指導を求める要望書をこのほど提出した。同要望書は、今井敬経団連会長宛に松橋功JATA会長名で出されたもので、昨年末の12月27日午後に松橋会長自らが経団連を訪れ、和田龍幸事務総長に文書を手渡した。この文書の中でJATAは、事件後既に3ヶ月が経過し、情勢の沈静 化と安全対策の具体化が進む状況下にあっても、大手関係各企業は海外出張禁止や海外渡航自粛等の社内令によって、未だ「海外への旅行がなお大幅に制限されている」と指摘。「当業界各社の経営に与えるインパクトの大きさは計り知れない」としたほか、これは旅行業界固有の問題に留まらず、「欧米各国を中心に国際的なビジネスを目的にした往来が急速に正常化に向かいつつある現在、広く国際問題として、わが国の実業界のみが異常に例外的に国際社会から逸脱しているとの印象を与えかねない」と警鐘した。
 また、海外旅行・渡航を通じて日本人が海外に支払った年間費用は4兆6000億円に上っており、日本の基幹的な輸入商品となっているにも関わらず、「大企業を中心とした異常な状態での海外旅行制限は、海外旅行の行き先相手国にとっては緊急の輸入制限として受け止められかねない」と指摘。このため経団連に対しては、関係各社の海外への出張旅行に関わる制限・自粛等の現在の措置に対し、適切な指導を行うよう求めている。
 大企業を中心に行われている海外出張の自粛等は、昨年末までにマーケットの半分 程度が自粛を解除したと見られているものの、景気低迷等の影響もあって諸外国に比べ需要回復がかなり遅れているのが現状だ。JATAではこれに先立つ12月19日にも、松橋会長、古木副会長、石井理事長の3名が首相官邸に福田官房長官を訪れたが、「観 光・ビジネスの両面で、日本だけが需要回復の遅れる現状は国益的に見ても問題ではないか」(石山JATA事務局長)との考えに立った政官財各方面への働きかけを強化しており、今後の動向が注目される。


8日、その他の主なニュース
<トップニュース>
★本邦航空企業年末年始実績、国際線16%減に
 JJグループの国内線シェア50%台超える
※添付書類:本邦航空企業の年末年始輸送実績
<行政・関連団体>----------------------------
★企業の渡航自粛は「輸入制限」に相当と警鐘
 JATA、経団連に適切な指導求める要望書提出
★11月の来道者数、ほぼ横這いも増加に転ずる
 東京・大阪からの航空機利用増加が牽引
★PATA、マレーシア・クチンで理事会開催
★PATA、『中国のアウトバウンド市場』を出版
<旅行関連>--------------------------------
★日本旅行、組織改正を実施
組織の簡素化と支店の整理がメインに
<航空関連>--------------------------------
★ルフトハンザ、成田―ミュンヘン線就航
★エンジェル・エアが運航停止に
★アメリカン、12月の輸送実績を発表
太平洋線が復調、ロードファクター73.0%に
★コンチネンタル、12月の輸送実績を発表
太平洋路線で復調、ロードファクターが前年比増に
★BAW、12月の輸送実績を発表
アジア太平洋路線、回復傾向に
★KLM、12月の輸送実績を発表
★羽田西旅客ビルにSOS緊急電話を設置
 ビル内に20箇所、目立つ赤色に
<出入国統計>------------------------------
★11月の出国日本人、41.9%減の89万人
 過去最大の落ち込み、訪日客は35万人
★11月の日本人マリアナ訪問者、52%減の1.5万人
★11月の訪韓日本人、30.3%減の15.7万人
 訪日韓国人は回復、3.5%増の9.2万人に
★11月の日本人香港訪問者、25%減の9.6万人
★11月の訪比日本人数、37.1%減の1.8万人
<デスティネーション>------------------------
★ベルリンワルシャワ急行がグローバル料金に
<ホテル>---------------------------------
★SRSホテルズに独ホテル・チェーンが加盟
★JCHA、11月の会員ホテル平均稼働率72.2%
■為替市況(7日)

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(c)航空新聞社 2001

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