首都圏・関西圏のホールセール事業から撤退 郵船トラベル、採算性の維持困難で決断 郵船トラベルが2002年度上期から「ダイヤモンドツアー」の名称で親しまれた首都圏、関西圏のホールセール事業から撤退する。同社では2001年度にドュバイやモルジブなどの方面を拡充し、ホールセール事業の建て直しを図ってきたが、近年の価格競 争に加えて、昨年9月11日のテロ事件を受けて、採算性を維持することは困難と判断し、ホールセール事業の休止を決めた。ただ、中部地区のホールセール事業は、マー ケットシェア・仕入力・商品開発力を総合的に判断し、ダイヤモンドツアーとラブリ ーバカンスの2ブランドを主軸とした現行体制のまま継続する。 首都圏、関西圏でダイヤモンドツアーの名称はそのまま残し、直販主催のブランド として使用する。今後は直販と代売を手掛けていく。 また、同社は現在2002年度の初年度とした中期3カ年計画を策定中で、その骨子は (1)業務渡航事業の採算性・効率性の向上、(2)クルーズ事業のシェア拡大、(3)高付加価値の観光旅行事業の育成||を3本柱とする。 具体的には業務渡航、クルーズ事業に加えて、従来より実施していたハイキングやデスティネーションを特化したSIT的な旅行の直売を拡充・育成していく方針。 首都圏、関西圏からのホールセール事業を休止することで、同社の取扱額・取扱人員は減少し、これに伴い、ホールセール部門の要員の縮小も予想されるが、同社では 「経営資源を重点部門に集中し、利益を重視した筋肉質の会社を目指す」としてい る。 ジャパンアメニティトラベルに続く、郵船トラベルのホールセール事業からの撤退は、中堅旅行会社のホールセール事業部門の採算性維持の難しさを図らずも裏付けて おり、今後もホールセール事業の見直しが出てくるものと懸念される。 |
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