ホールセラー10〜12月実績・1〜3月予約状況 中国・豪州好調、ハワイ・グアム回復、米本土低迷 ウイングトラベル本紙のアンケート調査で、ホールセラー各社の2001年10〜12月の 集客実績と2002年1〜3月の予約状況が、このほどまとまった。それによると、10〜 12月は中国、アジア、オセアニアで回復の兆しが見られ、とくに12月は前年比を上回る企業も出てきている。アメリカ方面は依然低調な傾向を示している。一方で、1〜3月は順調に回復、とくに中国、オセアニアは前年並みか、前年同月を上回り、この2方面にホールセラー各社が重点を置いていることが伺える。4月18日の成田空港暫 定滑走路のオープンに向けて、航空各社が中国線を中心に新規路線の開設・増便することと相まって、中国線が旅行需要を牽引し、4月以降には全体の旅行需要が回復す ることは間違いないが、1〜3月の予約状況を見る限り、アメリカ本土が前年並みに戻るのは夏場以降になりそうだ。 各社別にみると、別項にあるようにグアム・サイパン、アジア、中国線に特化したニュー・オリエント・エキスプレスが好調な集客・予約実績を上げており、11月以降は前年同月を上回り、3月は予約段階で前年の2倍の伸びを示している。一方で、他 の中堅ホールセラーは5〜6割台で推移しており、明暗を分けている。米国同時多発 テロ事件を契機に、ホールセール事業は岐路に立たされており、体力的に厳しい企業 は今後見直しを迫られる可能性が出てきている。 一方、大手ホールセラーもテロ後の一層の低価格化傾向から、第2ブランドの集客で数字を維持しているのが現状で、需要回復が第一と言われつつも、利益幅が前年よりも相当下がっていることは間違いないようだ。例えば、阪急交通社は12月の実績で、ハワイ、アメリカ・カナダ、オセアニアの各方面でタイムが前年実績を上回ったが、その反面でグリーニングツアーはオセアニアを除いて低迷している。 最大手のJTBをみると、トータルで10月60%、11月55%、12月66%で、2001年度第 3四半期は6〜5割台で推移した。2002年に入り、予約状況は1月7割台、2月6割 台、3月5割台に推移、近畿日本ツーリストもほぼ同様な状況を示している。中国とオセアニアが数字を押し上げているが、このまま行けば、3月は8割以上に回復する可能性が高い。 方面別にみると、中国、オセアニアは好調に推移、依然として低迷はしているもの の、ヨーロッパ、アジア、ハワイ、グアム・サイパンは回復傾向を示しており、やはり問題はアメリカ本土の需要回復といえる。10〜12月の集客実績、1〜3月の予約状況で平均5割を超えておらず、10%台で推移している企業も多い。アメリカ本土のさらなる需要喚起策が望まれる。 |
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