2002年1月30日

 需要回復早い若年層取込へアヴァ増販に注力
 ジャルパック、アイルは安心・高品質で差別化

 
ジャルパックは1月29日、2002年度上期のアイル(I'll)とアヴァ(AVA)の商品概要を発表した。それによると、上期アイルは原点に立ち返った「I'll be there」をテーマに、安心感と高品質を全面に打ち出した商品を引き続き展開する一方、アヴァでは「できる限りの価格競争力を追求」(芳野和俊マーケティング部長)し、需要回復の早い若年層取込に向けて、従来以上に宣伝・販売に力を入れていく方針を示した。とくに、熟年層の旅行手控え等の影響で、アイルは2〜3月の予約状況も前年比6割程度に留まっているが、アヴァは1月中旬に実施した新春商品「春一番」の新聞広告が奏功し、2〜3月は8割程度まで回復する見込みだ。このため、「これまで戦略展開は基本的にアイル中心に行ってきたが、ここに来て実際に動いている顧客は低 価格志向の若年層が多い。従来以上にアヴァ商品を充実させ、顧客に選んでもらう必要がある」(中島喜盛常務取締役)との認識から、商品拡充と価格競争力の強化、効果的な広告宣伝によってアヴァを強化していく構えだ。
 上期商品の重点方面は、成田暫定滑走路の供用開始で大幅な増便が図られる中国・アジア方面。中国では、アイル・アヴァの全コースを対象に早期予約キャンペーンを実施するほか、アイルでは中国およびアジアで巻頭特別企画・巻頭新企画を展開、アヴァでは新コース投入や設定日増設などを図った。ただし、提供座席数の大幅増によって、中国は他方面に比べて平均価格が最も低廉化している。このほか上期のアイル では、ヨーロッパで新たに最高級商品「ロワイヤル」を2コース投入し、今後は顧客の反応を見つつ商品拡充・別冊展開等の方向性を模索する意向のほか、「ジャルパック熟年旅行」はヨーロッパ、オセアニア、アメリカの3方面に絞り込んで新商品も投入。また、充実の海外ネットワークによる安心感と、サービス強化による快適性などを打ち出すことで、早期需要回復とともに「アイルの差別化」(芳野部長)を目指す 考えだ。
 こうした取組により、2002年度上期はアイルが前年比3.1%減の10万2000人、アヴァが同2%増の17万3000人、合計では0.1%増の27万5000人とほぼ前年並みの集客を目指す。このうち、重点方面の中国は両ブランド合計で34.7%増の1万3500人を目標とするほか、比較的影響が少ないと言われるオセアニアも同じく15.0%増の2万 7000人と2桁増を目指す。このほか、アジア5.7%増、グアム・サイパン1.3%増、ハワイ0.4%増と5方面では前年実績を上回る集客目標を設定したが、路線・便数減の影響もあるアメリカは2万人と約3割減を見込み、ヨーロッパも7.4%減とマイナス成長を予測している。


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(c)航空新聞社 2001

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