2002年2月6日

 WTO発表、2001年海外旅行は前年比1.3%減
 テロの影響色濃く、1982年以来のマイナス成長

 世界観光機関(WTO)発表による2001年の海外旅行者数が、前年比1.3%減の6億8900万人となった。9月の米国同時多発テロ事件や主要マーケットにおける経済減速が大きく影響、1982年以来のマイナス成長となった。
 減少の要因について、WTO事務局長フランチェスコ・フランジアーリ氏は「9月11日 の悲劇的な出来事が、世界のあらゆるエリアの観光産業に影響を与えてしまった。しかし、この事件以前の今年1月から8月までの間でも、ドイツや日本、米国などからのアウトバンドの伸びが既に鈍化していた」と述べた。
 テロ事件前後の推移を見ると、2001年1月から8月までの数字は、昨年同期比3%増。しかし、この数字は過去10年の平均伸び率4.3%増を下回っている。また、テロ事件の起きた9月以降の4ヶ月間では、11%減となり、各地域で旅行者数の減少が見られた(アフリカ:3.5%減、南北アメリカ:24%減、東アジア・太平洋:10%減、ヨーロッパ:30%減、南アジア:24%減)。
 2001年における世界全体の海外旅行者数の減少は、実に1982年(0.4%減)振り。 ちなみに湾岸戦争のあった1991年は1.2%で微増となっている。
 今後の回復傾向についてだが、フランジアーリ氏は「9-11月は、海外旅行にとって大惨事となったが、12月に関しては幾分悪くない兆候が現れており、海外旅行から国 内旅行にシフトする動きも見られなくなりつつある」と述べた。WTOでは、本格的な回復時期が2002年後半になると予測、フランジアーリ氏は「春のイースター休暇、夏季休暇時期には積極的な動きになる、世界経済の動向が今後は海外旅行を左右するだ ろう」と述べている。


6日、その他の主なニュース
<トップニュース>
★WTO発表、2001年海外旅行は前年比1.3%減
 テロの影響色濃く、1982年以来のマイナス成長
 北米・中近東減少傾向、アジア・アフリカ増加
★1種のワールドウィングツアーズが再生法申立
 2600名の出発目途、残る4400名の出発交渉継続
<行政・関連団体>
★大阪市も観光振興に使途限定のホテル税検討へ
 内容は今後検討も宿泊料1万円以上で1%案
★中国政府、修旅ノービザ入国の実施要項を発表
<旅行関連>
★名鉄観光、2002年度は純収入180億円目指す
 2001年度決算は赤字見込むも再び黒字化を
★JTB12月実績、前年割れも10・11月よりは回復
 国内は企画・団体とも2桁増、海外は台湾が好調
★2001年累計の取扱額は海外減少響き1.6%減
 日旅、12月実績はTis統合効果で国内は好調
<航空関連>
★エア タヒチ ヌイ、夏期スケジュール発表
★AAL、2002年1月の輸送実績
 太平洋線の座席調整で利用率が80%台に
★COA、2002年1月の輸送実績
 太平洋線輸送量が1.1%減に縮小
★ユナイテッド、2002年1月の輸送実績を発表
 需要回復と座席量調整によりL/Fが増加に
★FIN、航空保険特別料金を4ユーロに
<出入国統計>
★NZ、2001年の日本人客数1.5%減にとどまる
★2001年日本人トルコ訪問者、1.7%減の8.7万人
<ホテル>
★シャングリ・ラ、14ホテルの改装を実施
 総投資額1億3000万ドル、今後2年間で実施
<組織・人事>
★人事異動、日本旅行(2月1日付)
■為替市況(5日)

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(c)航空新聞社 2001

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