2002年3月18日

 航空業界の“市場構造そのもの”変革求める
 公取委、JAL/JASの経営統合に「待った」
 
 
「今我々が前提としている“市場構造”が変わらない限り、認められない」||。日本航空と日本エアシステムの経営統合に関して、公正取引委員会が15日行った記者会見で、松尾勝企業結合課長は、こう述べた。3月15日に公正取引委員会が発表した両社の事業統合に関する見解で、公取委は「国内航空旅客運送事業分野では、競争を実質的に制限する」と、統合に『待った』をかけた。
 この理由として、同委員会は、(1)大手航空会社が3社から2社へ減少することで、同調的な運賃設定行動が更に容易になる、(2)航空会社数が多い路線ほど、割引運賃が設定される割合や割引率が高く、大手航空会社の減少は競争に影響を及ぼす、(3)混雑空港の制約で新規参入等が困難であり、統合すれば新規参入が同調的な運賃設定行動に対する牽制力として期待できない、(4)価格交渉の余地のない航空会社がより大きな不利益を被る──の大きく4点を挙げた。
 松尾課長は、今回の見解はあくまで2社からの事前相談に対しての「中間報告」であると説明、今後2社から示される対応策次第では、まだ検討の余地があることを強調した。
 公取委はJAL・JASの経営統合に関して、旅行会社約100社、消費者団体などからヒアリングを実施した。旅行会社は主要50社からは文書でJAL・JAS経営統合による影響を提出させ、これについては、旅行業者の約半数が、JAL・JAS統合で何らかの影響を受けるとし、具体的には「運賃が高止まりする」「割安な団体割引運賃が設定されな くなる」「団体枠の交渉において航空会社側の力が強まり、供給を受けられる商品の 幅が狭まる」「3社競合路線の幹線における隣接便の統合によって、団体枠が縮小される」と懸念を示したことが明らかになった。
 これを受けて、JALとJASは これを受けて、JALとJASは羽田空港を中心としてシェアが50%以上となる発着枠の1部を返上し、新規航空会社に再配分することなどの対応策をまとめ、今月中にも公取委に提出する。


18日、その他の主なニュース
<トップニュース>
★航空業界の“市場構造そのもの”変革求める
 公取委、JAL/JASの経営統合に「待った」
●同調的な運賃設定行動を問題視
 公取委、SKYの運賃政策を評価
●発着枠の放棄、値下げ明示が打開策か
 公取委指摘、企業努力だけでは解決困難に
●スカイマーク「事業拡大のチャンス」と歓迎
●辻岡航空局事業課長「航空行政の影響大きい」
■国交省の航空行政に「異議」突きつける
 公取委の視点「不採算路線の運航維持」欠落
<行政・関連団体>
★フライワールドキャンペーンの実施を正式発表
 JATAと定航協、500組1000名を旅行に無料招待
★TCSAとJATA、“添乗問題調停委員会”を設置
 添乗でのトラブル調停中立機関として6月メドに
★TCSA、平成14年度(第16回)通常総会を開催
<旅行関連>
★春闘、近ツーが臨給年間3.0ヶ月+αで合意
 αは継続協議、JTBは本給改訂原資等を確認
<航空関連>
★DAL、米旅行会社へのコミッション撤廃
テロ後の経営悪化が影響、報奨金制度に移行
 ASTA、デルタの決定に反対の姿勢
★JALビジネスセイバー、利用条件を大幅に緩和
 3日前まで予約・購入可、設定都市欧米86都市に
★NWA、夏期キャンペーン運賃を発表
 ハワイ5.3万、サイパン3万、LA5.6万、NY6万〜
★COA、米本土・中南米行きPEX運賃発表
 NY行き5.8万円〜、他方面でも割引拡充
★NWA、アジア新規3路線でボーナスマイル
★大韓航空、iモードサイトを開設
<出入国統計>
★1月の日本人フィジー訪問者数1939人
<デスティネーション>
★TIA、4月にトレインジャック実施
 ポスターも制作、カウンターで掲示呼びかけ
★9月に"See America Week 2002"開催
 セミナーとワークショップを実施
★レイルユーロ、名古屋で独観光局とセミナー共催
<ホテル>
★アストン、フルムーン・コンサートを開催
■為替市況(15日)

back to 旅行通信 INDEX


(c)航空新聞社 2001

当ページのニュースは、日刊民間航空・旅行E-MAILニュース「日刊旅行通信」
から一部を抜粋し、掲載しています。
ニュースの続きは、「日刊旅行通信」でお読みいただけます。

お申し込み・お問い合わせ mail@jwing.com
「日刊旅行通信」
(毎週月曜〜金曜発行、祝日休刊)
購読料(消費税込み):半年間33,600円 一年間63,000円