中国のアウトバウンド市場への進出視野に JTBグループ、外資系企業への市場開放望む 中国の海外旅行市場は2020年に1億人規模に達し、世界最大の海外旅行送り出し国になると予想されているが、JTBグループが中国のアウトバウンド市場への進出を視野に入れていることが、このほど明らかになった。 JTBでは既に、中国企業との合弁会社である「新紀元国際旅行社」を2000年5月に北京で設立し、日本からのインバウンドおよび中国人による国内旅行を取り扱っているが、現在は中国のアウトバウンドを取り扱うことは法律上認められておらず、また、日本を含む外資系企業は中国企業との合弁のみでしか進出が許されていない。合弁会社は支社・支店を開設することも認められていないため、新紀元国際旅行社も北京の本社事務所のみで中国全土の受入業務等をコントロールしている。ただし、中国ではWTO(世界貿易機関)加盟を機に、市場経済の対外開放がさらに進んでおり、中国政府は過日、上海に限って外資系企業による単独での進出も認めたことから、中国 のアウトバウンド市場の開放もそう遠くないものと思われ、JTBがこの足がかりとして、北京での日中合弁会社設立に続き上海へ単独で進出する可能性もあるものと推察 される。 新紀元国際旅行社の和田正信総経理(社長)は、「2020年に1億人規模に達すると予想される中国の海外旅行は、一番魅力的な市場。商品造成、販売戦略、流通構造、予約システムなど、本格的に取り組んだら面白い」と述べ、「インバウンドだけでなく、アウトバウンドの取扱いが可能になれば真っ先に参入したい」と意欲を示した。 とくに和田氏は、インバウンドから発展してきた中国の旅行産業は、マーケット創出 のための販売戦略や商品流通網の確立なども遅れており、「(旅行産業を)構造的にどう成り立たせるか、国内マーケットをどう形成するかが課題となっている」と指摘。インバウンド受入から国内旅行、さらには海外旅行へと、「今がちょうど曲がり角」として、JTBグループが旅行事業の1つのモデルケースを提案できればとの考えを示している。 |
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