国交省、デルタ航空のFDXへの枠譲渡を容認 発着枠の適正な利用が条件、日米摩擦は回避へ 既報の通り、デルタ航空(DAL)はフェデラルエクスプレス(FDX)から 1998年に譲渡された発着枠週14回(週7往復分)をFDXへ返還することを申し入れていたが、日本政府はこれを容認する方針を決定した。 これは、1998年にFDXが日米航空交渉の合意を受け、ノンインカンバント企業であるDALやアメリカン航空、コンチネンタル航空、UPSへ週52回分の発着枠を割譲していたもの。DALは米国同時多発テロの影響により、テロ以前は成田一アトランタ線を週7便、ロサンゼルス線を週6便、ニューヨーク線を週7便運航していたが、 テロの影響で、現在の運航便数は週7便のアトランタ線に留まっている。このため、 DALは週14回分の発着枠をFDXへ返還することを申し入れていたが、日本側は (1)FDXが以前に、発着枠維持のために成田一仙台間をセスナ機で運航していたこ と(昨年でこの運航は中止)、(2)米国キャリアの成田空港でのシェアが約34%と他 国の空港と比べて高いことを問題視し、反発していた。米国政府はこれに対して、日本企業の米国乗り入れを差し止めるという制裁措置も辞さない構えを見せ、日米政府 間で摩擦が生じていた。 国土交通省航空局の柴田耕介大臣官房審議官らは19日(米国時間)、米運輸省で、同省と国務省の審議官クラスの代表者と約1日かけて交渉を行い、その結果、「米国 側が発着枠をきちんと利用すると確約したため、問題はないだろうと判断した」(航 空局)とし、発着枠の返還を容認することを決めた。ただ、今後仮に発着枠の維持だ けを目的に運航していることが判明した場合には、発着枠を回収する可能性もあるとしており、いわば「条件付き」(航空局)での容認であると説明している。 なお、DALのほか、アメリカン航空もFDXから発着枠を割譲されたが、同社は週14回分の発着枠をノースウエスト航空へ譲渡することが決まっているという。 |
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